突然ですが、先日に客先常駐先の現場を1か月で退場になりました。
大事なことなので、もう一度言います。

現場を1か月で退場になりました……
退場といっても自分の意思で自分から退場になったわけではありません。
客先からクレームが入ってたった1か月で強制退場、事実上のクビになりました。
主なクレームは「スキル不足」だったのですが、この記事では私が客先常駐先の現場を強制退場になった理由を分析して、今後退場にならないようにするためには気を付けるべきことをまとめてみました。
ぜひ、SESで客先常駐しているITエンジニアの人や多くのエンジニアを抱えているSES営業の方は参考にして頂けましたら幸いです。
客先常駐先を1か月で退場になった理由を分析


スキルが不足していた
客先常駐先に参画してから2週間ほど経過したとき、現場からクレームは自社の営業担当経由で私に入りました。



ダメ系さん、お客様からスキル不足でクレーム入ってるよ、何かやらかしたの?
客先常駐先のプロジェクトメンバーの人柄に悪い印象はなくPMも優しい感じで特に怒られたり、指導を受けたり、本番環境でやらかしたということでもなかったので、



え?何かの間違いでは?
と一瞬思ったのだが、クレームとして担当営業に届いたメールを見せてもらって間違いではなく、自分に対してのことであることが理解できました。
そのメールに添えられていた主なクレームは以下の通り。
- 基本的なことをメンバーに聞きすぎて迷惑している
- 仕事が遅くてパフォーマンスが悪い
- スキルが低すぎて単価が合っていない
- これらの理由でできる限り早くご退場頂きたい
メールに書かれていたクレームはこんな感じで言葉遣いも荒々しい感じだったので、客先常駐先のPMの人と違和感はあったのだが、同時に



不満やクレームを本人に直接言えない感じの人なのね…
と理解できました。
参画した案件の単価は自分への挑戦を含めて単価は高めに設定していたが、PMやPLといったポジションではなく、開発者として設計やプログラミングを担当する一般的なエンジニアとして入ったので、問題ないと私は思っていました。
ただ、私はダメ系ITエンジニアなので、参画したばかりの案件というのは開発環境やプログラムのソースコード、使えるツール、プロジェクトメンバーが一新されるので、慣れるまでに時間がかかってしまうのだ。(慣れるまでに時間がかかってしまうというのが言い訳と言われてしまえばそれまでなのだが)
そのため、参画したてのプロジェクトでは、分からないことは何でも聞く、しつこいぐらいなんでも聞くようにしています。
そうしないと分からないことを放置したままでいると間違ったやり方で仕事を進めてやり直し作業が発生して迷惑をかけてしまうことになるし、参画時に聞いておくべきようなことを慣れてきた皆が忙しいときに聞いてしまってメンバーに聞いてウザがられたりするので、参画して日が浅いうちは聞くようにしています。



分からないことがあったら何でも聞いてね~
というスタンスが今まで参画していた案件では多かったので、退場したこの案件でも任されたタスクについて聞きまくっていたのだが、聞いた内容が悪かった。
聞いた内容というのが、gitのコマンドやJavaのSpringフレームワークの設定ファイルの場所などなど、エンジニアなら知っておかなければならないことだったので、それがスキル不足と判断されてしまったようだった。
案件の単価が低かったり、1年目~3年目のエンジニアだったら退場ということにはなってはいかなっただろうが、年数も年齢もそれなりだったので、使えないエンジニアとしてレッテルを張られてしまって一発退場ということになってしまったのだろう。
なぜ、gitのコマンドやSpringフレームワークの設定ファイルの場所など、聞かなくても良いことをわざわざ聞いてしまったのか?
それはリモートワークであったことも理由の一因になります。
フルリモートに慣れていなかった
今までリモートワークの経験がなかったのですが、実はこの退場になった案件はフルリモートワークでした。
そのため、初日は出社しましたが、翌日からは受領した会社のパソコンを使って業務をすることになりました。
フルリモートなので、メンバーとのやり取りは朝会と夕会のZoomでカメラなし音声通話のみで進捗を報告と何かあったら都度チームの部屋でチャットするのみでした。
初のフルリモートワークで戸惑っていたこともあったのですが、与えられたタスクに不安と孤立感があって、少し調べればわかるようなことでもとりあえず全メンバーのチャットの部屋で聞いてしまっていました。
そこでPMだけでなくPMより立場が上の役職者クラスの人の目に入って



あいつなんなん?スキル低すぎじゃね?
と判断されてしまったんだと思います。
今思い返してみるとなんで調べればわかることを空気を読まずに個別のチャットではなく、よりにもよって全てのメンバーがいるチャットで聞いてしまったんだろう?と思いますが、調べなくても分かることを知らなった時点で本当にスキル不足と言われてしまえばそれまでなのでこれは言い訳にすらなってないですね…。
とはいえ、実際に対話するのとフルリモートワークで音声とチャットのみではコミュニケーションの取り方に明確な違いがあったことが退場の要因になったと思います。
同じ時期に参画した人と比較された
実はこの案件に参画したのは私だけではく、他社からも客先常駐として同日に1名の参画が決まっていたようで、2人で参画することになりました。
そのもう一人の人は私よりも遥かに仕事がバリバリできる人でした。
退場通告の連絡が来るまでの2週間で同時に参画した人と同じようなタスクを依頼されていたのですが、明らかにタスクのスピードや質がその人の方が上でした。
参画したての人と比較されたことで私のダメさが浮き彫りになって



コイツはダメだ、使えない……
とレッテルを張られてしまったのでしょう。
元気がなかった
フルリモートワークであったのですが、朝会と夕会は音声通話のみで毎日行っていました。
唯一、コミュニケーションを取れる場だったのですが、同じ時期に参画した人とタスクのスピードに差が出ていたことは分かっていたのとリモートワークの不安と焦燥感からうつ状態になっていきました。
そのため、自分でも分かるぐらい日に日に声が小さくなって



おはようございます……



お疲れ様です……
という言葉に張りがなく、元気がなくなってきました。
そして毎日の朝会で



大丈夫ですか?
と心配されることも……。
カメラオフで顔は見えないのですが、PMは声だけでそれを察しているようでしたので、フルリモートワークとはいえ、挨拶だけで元気がなく、不安定な精神状態であることを悟られていたと思います。
嫌われていた
これは完全に所感なのですが、PMやプロジェクトメンバーから私は嫌われていたと思います。
嫌われていたと思う理由は、チャットで調べれば分かるようなことをいちいち聞いてきたり、タスクが遅くてイライラさせたりしたからです。
嫌われていたというのは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも頼りにされたり、好かれてはいませんでした。
これは思い込みではなく、日が経つにつれてPMやメンバーの反応がそっけないものになっていったからです。
リアルな対話と違って仕事以外のことを話せなかったこともあるかもしれませんが、もしかするとPMが独断で退場の判断をしたというよりは、プロジェクトメンバーからも私に対して



いちいちレベルの低いことを聞いてきて仕事が進まない



任したタスクが遅すぎる



とにかくスキルが低すぎて使えない
など私の見えない裏で音声なりチャットなりでPMにクレームが入っていたのかもしれません。
これらの理由で1か月という短い期間で強制退場になってしまいました。



あなたはスキルが不足しているダメ系ITエンジニアなので、いつもそんな感じでしょ?
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ダメ系なりに幾つもの修羅場を潜り抜けてきましたので、幾つもの客先常駐を経験して最長で6年続いた案件もあります。
その6年続いた案件を含めて、客先常駐先から契約解除されたことはなく、今まで経験した案件は様々な理由はありますが、全て私の意思で私からの契約解除になりますので、現場からクレームが入って退場になったのはこれが初になります。
そのため、戒めとして次は退場にならないようにするためのポイントを5つまとめてみました。
退場にならないようにするための5つのポイント


1. 聞かざるべきことは聞かない
私が退場となった理由でスキル不足と判断されてしまったのは、調べれば分かるようなことを聞いてしまったのが原因でした。
本来なら調べるまでもなく分かっていないといけないことなので、スキル不足と言われてしまえばそれまでなのですが、私のようなダメ系エンジニアの人は自分の力で調べながら仕事を進めていかなければならないので、gitのコマンドとか調べれば分かることはいちいち人に聞くんじゃなくて『ググレカス』ということです。
ただし、要件の仕様のことや調べても分からないような聞くべきことは素直に聞くようにしましょう。
そうしないと、分からないことを放置したままでいると間違ったやり方で仕事を進めてやり直し作業が発生して迷惑をかけてしまいます。
炎上プロジェクトで見られがちですが、皆が忙しくイライラしていて仕様面の聞くべきことを聞いただけでウザがられたりする現場なら居心地が悪いですし、仕事にならないので私なら自分から契約解除を検討するかもしれません。
2. フルリモートのリスクを理解する
新型コロナの流行によってIT業界ではフルリモートワークが普及しましたが、音声での通話や文字でのチャットによるコミュニケーションは実際に会ってオフィスで対話するのとはコミュニケーションの取り方が変わってきます。
特にフルリモートワークではコミュニケーション不足になりがちで、気軽に聞きたいことを聞けなかったりすることで生産性が下がることもあります。
慣れてしまえばフルリモートワークの方が集中できることもあるのですが、フルリモートワークのリスクを理解した上でどうしてもフルリモートワークが性に合わない人はフルリモートワークの案件を避けるのもありだと思います。
3. 他人と比較しない
人間は悲しきかな他人と比較してしまうものですが、他人と比較してしまうとどうやったって敵わない部分はあります。
ダメ系エンジニアの私はそんなことしょっちゅうです。
だから他人と比較しないようにしましょう。
同じ時期に参画した人がいてタスクをこなすペースが違っても人は人なので自分のペースで焦らずスキルを磨いて進めればいいのです。
そして、同じプロジェクトメンバーの一員なので敵ではありません。むしろ味方です。
同じような仕事を任されたなら協力して仕事をすればいいのです。
今になって気づいたのですが、なぜ私は同じ時期に参画した人と競い合おうとしていたのだろうか?と思います。
協力して仕事をやっていたら、協調性が評価されてプラスの方向に持って行けたかもしれないのに…。
4. 元気を出す
元気があればなんでもできる!元気は大事です。
挨拶が元気なだけで職場の雰囲気を良くすることができますし、相手から良い印象を持ってもらえることができます。
スキルがなくてもできる感をアピールすることが大事で、元気がないだけでPMは不安を感じますし、元気がなくてスキルもないのは最悪でこの人と一緒に仕事をしたいと思ってもらえるはずがありません。
それに相手から良い印象を持ってもらえれば人柄は評価されます。
仮にスキルが少しぐらい不足していたとしても元気でハキハキとして仕事をしようとする真面目な人柄であれば評価されて、すぐに強制退場ということになることは考えにくいと思われます。
スキルが不足している場合には磨く努力をしなければならないので開花するまでに時間と労力がかかりますが、元気は気持ちの持ちようで今日からでもなんとでもなります。スキルがなかったらせめて良質な睡眠をとって、バランスの良い食事をとって、元気に挨拶をするように心がけましょう。
そうして元気で仕事をしていれば、スキルは後からついてくると思います。
5. 今の現場に合わせる
客先常駐先の現場を幾つも渡り歩いて思うのは現場によって、プロジェクトメンバーの人間性やドキュメントの書き方、プログラミングのコードの文化に違いがあるということです。
つまり、客先常駐先が変わったタイミングで、前の常駐先で当たり前だったことは新しい現場では当たり前ではないかもしれないということです。
例えば、私が退場になった現場ではどちらかと言えば、



分からないことがあったらググレカス
の文化だったのですが、退場になる前の現場では



分からないことがあったら何でも聞いて、調べても分かることでもいいからとにかく聞いて、調べている時間が無駄だから聞いて~どんどん聞いて~
という分からないことに対するスタンスが全く異なっていました。
どちらが良いか悪いかは考え方によると思いますが、ソースコードの書き方など技術的な面においても参画している現場に合わせることが大切です。
そうしないと自分勝手で協調性がないと判断させてしまって、退場のリスクが上がってしまうことになります。
まとめ
今回は、客先常駐先の現場を1か月に退場になってしまったので、客先常駐先を1か月で退場になった理由を分析して、退場にならないようにするための5つのポイントを紹介しました。
ITエンジニアなら技術スキルで評価されるため、スキルを磨いておけば退場とは無縁と思われがちですが、客先常駐先でのコミュニケーションの取り方次第でトラブルに発展して強制退場に直結することがあります。
SES営業の方はこの記事に書いてあることはご存じのことだったと思いますが、私と同じような理由で強制退場になってしまうエンジニアの方を意外とよく聞くので、プロジェクトに参画する際にはこの記事で紹介したポイントを事前に教示してあげても良いと思います。
また、私のように現場を退場になった人がこの記事を見ている人がいたら落ち込まないでください。
私はダメ系ITエンジニアの烙印を押されていますが、今まで経験した幾つもの案件ではダメ系なりにですが2年以上継続していましたし、強制退場になったことはこの記事で紹介した案件のみで一度もありませんでした。
そして、先日に客先常駐先の現場を1か月に退場になりましたが、その後にすぐ参画が決まった今の現場では3か月継続中で、次の3か月契約更新も決まりました。
SESでは案件はたくさんありますので、その中でも合わない現場があれば合う現場も絶対にあります。
退場になった案件はたまたま合わなかっただけだと思いますし、人や仕事の内容との相性もありますので、あまり気にせず気持ちを切り替えて自分のペースでスキルを磨いて自分の合う現場でエンジニアとして楽しく仕事をするようにしましょう。