本当にあった怖い話といえば、フジテレビ系列で放送されている心霊体験に翻弄されながらも立ち向かっていく人々を描くドラマですね。
幽霊の話は怖いと思いますが、ITエンジニア業界にも怖い話はあります。
しかし、ITエンジニア業界の怖い話というのは心霊や幽霊ではありません。
この記事では、私自身の無能なエンジニアが体験した怖かった話、エンジニア仲間から聞いた怖かったITエンジニア界隈の怖い話を6選紹介します。
IT業界の怖い話というのは、どんな話のことを言うのか?
幽霊よりも怖い本当にあったIT業界の怖い話をご堪能あれ。
恐怖のドロップテーブル

これは私がいたとある客先常駐先で起きた出来事です。
いつものように客先常駐先で残業し仕事を終えて帰宅しようとしたとき、声が聞こえてきました。

おい!本番環境でログインできない障害が起きてるぞ!
帰ろうとしたときに本番環境で問題があったようで、私を含めて残ったメンバーで原因を調べることになりました。
原因究明のためにエラーログを見たところ、信じられない内容が目に入りました。
Table ‘logins’ doesn’t exist
ユーザが画面にログインするのに必要なloginsテーブルが存在しないというエラーだったのです。
本番環境でテーブルが存在しないというのは有り得ないことなので、何が起きているのか私を含めその場にいたメンバーは分かりませんでした。
とにかく復旧を優先しないといけなかったので、インフラチームを連携してバックアップされていたloginsテーブルを復旧して正常にログインすることができました。
他に存在していないテーブルはないかを調査しましたが、存在していなかったのはloginsテーブルで障害も解消され終電も近かったということでその日は帰ることになりました。
翌日、原因調査のため、開発メンバーでヒアリングが始まったのですが、原因はすぐに分かりました。



あ、それ僕です。昨日テスト環境と間違えてDROPしちゃったんだと思います
なんと、都市伝説やネタにされているテスト環境と本番環境を間違ってテーブルを削除しちゃったというのが原因でした。
そのテーブルを削除した人は、テスト環境と本番環境を間違えていたことに気づかないで削除した後で私よりも先に帰ってしまっていたので、時間差で私が帰るときに起きた事象でした。



なぜ、テスト環境と本番環境を間違えるようなことがあるの?本番環境はサーバールームに入らないといじれないでしょ?
ということなのですが、その客先常駐先は自分のPCからTera Termを使ってテスト環境でも本番環境でも簡単に接続することができる環境にあったので、全然可能な話というわけです。
その削除してしまった人は、現場を退場、損害賠償金を請求など重い処分が下りました……ということはありませんでした!
客先常駐先のマネージャーさんから



そういうことか、次は気を付けましょうね~♪
といった感じで何事もなかったようにこの件は終わりました。
随分とお優しいマネージャーだこと、ですが、恐らく軽く済んだのは業務用システムの画面障害で発生したのが遅い時間だったので、損害という損害というのはそこまで出なかったからだと思われます。
もし、ヤフーニュースに載ってしまうようなシステムの障害だったり、テーブルのバックアップによる復旧ができなかったりしたらもっと大事件になっていたことでしょう。
テスト環境と本番環境を間違えてしまうというのは都市伝説ではありません。
実際にありますので、自分だけは絶対に大丈夫とは思わずに皆さんも気を付けましょう。
サーバへの侵入者


これはとある客先常駐先で先輩から聞いた話です。
その先輩は部下1名と金融系のサーバルームで本番作業をしていました。
恐怖のドロップテーブルで紹介した客先常駐先では自席のPCから本番環境にリリースをしていましたが、ITエンジニアのインフラ環境は様々あって、金融系のようなセキュリティが強固のシステムでは、自席のPCから本番環境なんて接続することはできず、幾重にもロックされた物理的な扉を潜り抜けた先のサーバルームのラックに入ったパソコンを操作しないといじれないようになっています。
その先輩は部下1名と金融系のサーバルームで作業を行っていたのですが、社員育成のためにも後輩の人に作業をさせたいと考えていたので、その日の作業は後輩の人に任せて先輩は後輩の作業を監視して作業をすることになりました。
後輩は緊張していましたが、これも良い勉強だ、監視しているからいざとなったら俺がやれば大丈夫!と思いながら監視しながら作業をしていたところ、後輩がこんなことをしゃべりました。



あれ?操作できません。キーボードが効きません
先輩は故障?そんなことないだろう?と思い、キーボードのボタンを押したときに異変に気付きました。



なんだこれ?ビショビショじゃねーか
なんと、キーボードがびっしょりと濡れていたのです。
サーバールームには飲料持ち込み厳禁だし、持ち込んでもないのに何が原因なのか?と後輩の手を見るとなんと、緊張でとんでもない量の手汗が出ていて、キーボードの間から汗が侵入していたのです。キーボードと画面が一体型になっているタイプだったのでキーボードを交換すれば良いという話ではなく、スライド式のコンソールドロワーはおじゃんになったそうです。
その後の話は聞けなかったので最終的にどうなったかは分からなかったですが、データが保存してあるサーバとキーボードと画面で操作する一体型のドロワーは別になっているはずなので、データが紛失したということにはならなかったと思いますが、パソコンや周辺機器は水に弱いので手汗が侵入して壊れてしまうということはありえない話ではないので、怖いですよね。
特にノートPCの場合は手汗があまりにも酷い場合は内部まで届いてしまえばショートして終わりなので、手汗の酷い人は気を付けましょう。
消えたパソコン


私は過去に会社のパソコンをカバンに入れて持ち歩いて、飲み会で記憶を失くした後、次の日の朝にカプセルホテルで失くしたことに気づき、一瞬で二日酔いが覚めるというセキュリティ事故を起こしたことがあります。


想像してみて下さい。
社外秘の設計書やソースコードが入った会社のパソコンをどこか分からない場所に失くしてしまうということを…。
そして、会社のパソコンを失くして見つからなかったら情報漏洩されニュースで報道されて多額の損害賠償を請求されてしまうということを…。
こんな怖い話はありませんよ。
昨今、新型コロナウイルス感染症をきっかけにIT業界ではフルリモートワークが当たり前になってきました。
会社のパソコンを自宅で使っている人はいるかと思いますが、絶対に紛失しないようにしましょう。
自宅で紛失するようなことはないと思いますが、例えばカフェで仕事をしたいと思って持って行って、パソコンだけうっかり忘れて来たり、帰り道に友人と会ってそのまま居酒屋にいって、私と同じパターンで記憶を失くすまで飲んで朝起きたらなくなっていたなんてことだって十分にあります。
エンジニアの方であれば、セキュリティ講習を受けることになるでしょう。そのときに電車の網棚にカバンを置いて忘れることがあるので、網棚に置かないように、いう内容の講習を受けたときに



電車の網棚になんて置かないよ、置いても忘れるわけないじゃん!
と私は思ったことがあります。
でも、その油断が危険です!
私も絶対に会社のパソコンを失くすなんて自分はやらないと思いましたが、失くしてしまいました。
幸いなことに私が紛失したパソコンは翌日に見つけることができ、情報漏洩もなく、厳重注意等の軽い処分で済みましたが、本当に失くして情報漏洩していたら今エンジニアをしている自分はここにいなかったでしょう。
洗脳された社員





あの人は変わってしまった――
とあるブラック企業にいた私は、私史上最悪なPLだった意味不明な指示をする人のもとで仕事をすることになりました。
その意味不明な指示をする人は、会社に泊まり込んでいる人で家にも帰らない人で、そのPLのプロジェクトに参画することになると巻き添えを食らって、プロジェクトメンバーも会社に泊まり込むことを強要され、床に寝ることになるという苦行が通例になることもしばしばありました。


その会社で別プロジェクトをやっていた私は、とても面倒見の良い先輩のもとで仕事をしていました。面倒見の良い先輩は、性格はおっとり系で優しくて分からないことがあって聞くと優しく丁寧に教えてくれた私が尊敬する先輩でした。尊敬したいのは優しいだけでなく、仕事もできる人だったので、定時に帰れることが多く、一緒に会社帰りに飲みにしかもおごりで連れてってくれることもありました。明るくて話が面白くて人間性も好きな人でした。
そしてある日、その先輩が私史上最悪なPLだった意味不明な指示をするPLに参画することになりました。心配はしていましたが、あの先輩のことだからきっとやり遂げて帰ってきてくれるんだろうなと思っていました。
しばらく私は別プロジェクトで定時に帰れる生活を送っていて、その先輩のことをプロジェクトルームが別だったということもあり、目にすることはなくなっていました。
時は半年以上経過して、会社の全体会議があって全社員が集まる会がありました。そこで面倒見がよかった先輩に会えると思って探したのですが、見当たらず…。



あれ?おかしいな?
と思って他の人に聞こうかと思ったら服が小汚くて髭がボーボーで仙人のような人がいました。



あんな人いたっけ……ん?先輩??
見た目は変わっていましたが、顔は先輩だったので、「どうしたんだろう?まさか??」と思いつつも近くに寄っていって



先輩大丈夫ですか?
と声をかけてみました。



まあ……ずっと泊まり込みが続いててな
と回答が返ってきました。声は明るく元気だった先輩とは思えないほど、暗くぼそぼそして明らかに覇気がありませんでした。
私は心配になったので、



久しぶりに飲みにでも行きませんか?
と続けて声をかけました。
すると



うるせーな!状況考えろ!こっちは忙しくてそんな余裕はねーんだよ
とおっとりと優しかった先輩とは全くの別人格の形相で急に怒り出しました。
私は怖くなって



すみません……
とその場を去ろうとすると、後ろから意味不明な指示をするPLがやってきて



おい、あの資料どうなってんだ?朝までには共有フォルダに置いておけって言ってただろ?寝てたのか?



はい!今すぐ用意します
と優しい先輩とやり取りをしてどこかに消えていきました。
後から聞いた話ですが、優しい先輩は意味不明な指示をするPLのプロジェクトに参画してからずっと会社に泊まり込みが続いていたのですが、先輩はPLから気に入られてしまったらしく、ほぼ24時間、衣食住を含めて一緒に過ごしていたらしく、そのPLに似た人格に変わってしまい、洗脳されてしまったようです。
ほどなくして私はその会社を別の理由で辞めることになったのですが、意味不明な指示をするPLは優しい先輩と一緒に退職して同じ職場に転職して二人は同居しているという噂を聞きました。
今頃、先輩はどうしているんだろうか?
少なくとも人が変わってしまったので、私の知っている優しくて面倒見の良かった先輩はもういない……。
IT業界の闇を感じさせる話だったと思いますが、私自身も気を付けようと思う出来事になりました。
先輩社員は常識的な人だったのですが、真面目な面もあったので逃げることはせずにPLの言われるがままに長時間を過ごすことで浸食されていまったんだと思います。私ならそんな24時間も会社にいなければいけない状態が何日も続く状態になったら迷わず逃げますので、人格が崩壊する前に逃げることも私は大事なことだと思います。
恐怖の移行作業





何をやっているんだ《 ゚Д゚》ノゴラアァァァァ!!!!!
クライアントから怒声が響き渡ったのは、私が主導で担当していた移行作業の直後のことでした。
私はあるプロジェクトで運用保守作業をしていました。運用保守作業では軽微なデータのパッチ作業から大規模システムの移行作業まで様々あったのですが、部署の再編を行うということになり、部署の移行作業をするために移行用のSQLを作成して本番環境で流すことになりました。
ちょうどその作業を行う前のタイミングでPLがプロジェクトを離脱することになり、プロジェクト経験の長かった私が移行作業を主導することになりました。とはいえ、単純な部署移行作業なので、新しい機能を実装したり、本番障害対応のデータ補正作業に比べたら楽な作業だったので、すんなりと作って移行作業当日に移行用のSQLを流して作業を終えることができました。
私は作業が終わって鼻をほじりながら過ごしていたのですが、1時間ほど経過するとオフィス内が騒がしくなりました。



おい!顧客からクレームが来てるぞ!どうなってんだ???
私は何が起きたんだろう?と思いつつも私には関係ないことだろうな?と思っていると何が起こっているか判明したようで私の元にクライアントがやってきました。



早朝に部署移行されました?なんか権限が入れ替わっているみたいなんですけど(怒)
どうやら部署移行で一部の権限が入れ替わってしまったとのことです。
実行した手順書を確認すると、1~10まである権限の途中の「6」と「9」が移行元と移行先で入れ替わっていたのです。



そんな馬鹿な???
思わず声に出してしまったのですが、現場はそれどころではその権限が入れ替わってしまったことで、階級の低いユーザが絶対にできてはいけない管理者レベルの操作をできてしまう状態なっていて、現場は炎上していたので、悩んでいる暇はなく、速攻で部署を戻す作業と正しい状態で移行できるSQLを作成して実行して、解決はできました。
でもその間もクライアントが私のPCの後ろに仁王立ちして



早くしろ《 ゚Д゚》ノゴラアァァァァ!!!!!
と威圧的だったので汗だくで作業をして心身共にやられました。
この部署移行作業のミスは始末書レベルの話でプロジェクト内で振り返りを実施して「6」と「9」をなぜ間違えるのか?レビューはしっかりとしていたのか?作業監視者は何を見ていたのか?再発防止策は?といった感じで大ごとに発展しました。
この話の何が怖さは、本番環境での作業は本当にちょっとしたミスでとんでもない炎上騒ぎになってしまうということです。
また、このミスをしたときはバックアップを取っていて、すぐにデータを戻せる状態にしておいたことと、「6」と「9」を間違えただけのミスだったのですぐに対応することができましたが、すぐに対応できずに復旧不可レベルの話だったら間違いなく私のクビは飛んでいてとてつもない額の損害賠償金を請求されていたかもしれません。
都市伝説で株を取り扱う会社でお金の桁数を間違えて秒で億単位の損害が発生したという話を聞きますが、本当にそういうことはちょっとしたミスで起きるものなんだと感じされる話でした。
ITエンジニアならではの怖い話だと思いますので、皆さんも気を付けてください。気を付けるだけだと同じミスを繰り返すので、自分への戒めを込めて大事な作業をする場合はミスをしない仕組み作りをしましょう。
シュレッダー事件





何をやっているんだ《 ゚Д゚》ノゴラアァァァァ!!!!!
またしてもこの怒声が私に対して飛んでくる出来事がありました。
とあるブラック企業で勤務していた時、超パワハラ体育会系のPLの元で仕事をしていました。
当時から私は無能だったこともありますが、毎日毎日怒られすぎて心も体もドンドン疲弊していきました。
そして、うつ状態になってしまい、負のスパイラルに陥ってありとあらゆる作業をミスするようになりました。
そんなある日、超パワハラ体育会系のPLから会社の領収証を渡されました。



……しといて
私には



シュレッダーしといて
と聞こえました。
そして私はそのまま、何の疑いもせずにシュレッダーに領収証を入れました。PLの元に戻り



シュレッダーしておきました
と伝えて自席に戻ろうとすると



はあ????お前何やってんだよ《 ゚Д゚》ノゴラアァァァァ!!!!!



え?シュレッダーしといてって言ったじゃないですか?



そんなこと言ってねーよ。事務手続きしておいてって言ったんだよ。誰が領収証をシュレッダーしろなんて指示出すんだよ???
どうやらPLは本当にシュレッダーをしろという指示はしていなかったみたいで私の聞き間違いだったようです。
うつ状態のときは、判断能力が欠如して常識が分からなくなってしまいます。過去に私は赤信号の赤が認識できなくなってしまったことがあります。


確かに冷静になってみると領収証をシュレッダーにかける行為はおかしいし、仮にそう聞こえたとしても



本当にシュレッダーしちゃっていいんですか?
と聞き直したり通常時の私だったらしていたと思いますが、本当にそう聞こえてしまったし判断能力がおかしくなっていたので、やってしまいました。
シュレッダーをした領収証はクライアントで取引した重要なデータだったらしくコピーもなかったので、クライアント先に誤ってシュレッダーをかけてしまったことを伝えて謝罪して再発行してもらったみたいです。
デジタル時代にはなって電子データでやり取りをすることが多くなっていますが、紙データで手続きをしているものをシュレッダーで粉砕されたり、燃やしてしまったり、紛失してしまったりしたら恐ろしいことです。
あのときの私は完全に判断能力が狂っていたので、領収証ではなく万札を渡されていたとしても「シュレッダーしといて」と聞こえていて、何の躊躇もせずシュレッダーしていたと思います。
ちょっとした聞き間違いが怖い話に発展してしまうという話でした。
このシュレッダー事件から分かる通り……うつ病は怖いということです。
ITエンジニアはうつ病の発症率が高いと言われていますので、正しい判断ができない状態まで追い込まれてしまったら我慢せずに休養という選択肢を勇気をもって取った方が良いでしょう。新たな本当にあった怖い話を引き起こす前に……。
まとめ
この記事では、本当にあった無能なITエンジニアの怖い話6選を紹介しました。
心霊現象とどちらが怖い話でしたか?
恐らくエンジニアをされている方なら、ITエンジニアの怖い話の方が怖いと感じたのではないでしょうか?
私は霊感がないというのもあってITエンジニアの怖い話の方が怖いですね。無能なダメ系ITエンジニアである私はいつかやらかして、新たな話を作り出しそうで恐々としています……。